貸宅地底地物納の実務

貸宅地(底地)物納は、借地契約書と地代と測量が大切。  

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測量&確認・地代値上げ・借地契約書整備…貸宅地物納の実務!

借地人さんがいる土地、つまり貸宅地底地の物納は借地契約書と地代と測量が大切。相続税物納のための地代の値上げ交渉が必要かもしれません。

一に測量・二に確認


更地の場合、有利なのは物納か売却か…微妙であることが多いでしょう。しかし、貸宅地の場合では、物納が有利であることが多いはずです。
貸宅地とは、借地人に貸している土地ですが、物納も可能です。〈更地があるなら貸宅地は物納できない〉‥など、噂もあるようですが…手順さえ踏めば貸宅地の物納も可能であり、この噂は全くの憶測です。
物納するために…まずは、測量と地積更正をして、面積を揃える必要があります。これが、物納手続の前提になります。
次に、借地契約書を整備します。必要ならば、借地対象面積を訂正します。そして、図面を添付して、借地人から借地範囲の確認書を取り付けます。

三・四は地代


物納された貸宅地は、国有財産となります。国有財産には一定の貸出基準があり、国は、その基準で借地人に貸し続けます。したがって、物納の段階で、この基準を満たすことが必要です。
地代がこの基準より低い場合は、地代を値上げしてから物納します。借地人が値上げに応じなければ、物納は困難です。そこで、地主が借地人に〈解決金払うから値上げして〜〉‥とお願いすることもあるようです。不可思議な、常套手段ですね。
土地が借地人個人の住宅敷地である場合、地代額が常識的なら、スムーズに物納できることが多いでしょう。店舗用の敷地や法人借地人の事業用である場合、営利用として、多額の地代値上げが必要になることもあります。

五に契約書


その他の契約条項について、市販の借地契約書の内容であれば心配無用です。しかし、建替自由の特約や更新の特別な定めがある場合、国から修正を求められます。また、建物登記名義人と借地契約当事者は、同一人であることが必要です。
貸宅地の物納は、〈測量と地積更正・必要なら地代値上げ・契約書整備〉という手順を踏んで、実現します。物納予定の貸宅地がある場合、生前から対処をしておくと、「相続税」の納税が楽になります。

自用底地物納


物納以外の方法では納税ができない場合は、特殊な物納が認められます。建物は相続人に残したまま、土地だけを貸宅地の評価額で物納するもので、『自用底地物納』と言われます。
物納後は、国が地主となり、国に地代を支払う借地人が《相続人》になるわけです。固定資産税は、当然、不要になります。

優良地主?


貸宅地を物納財産として収納すれば、国が地主です。借地人は、地代を国に払います。《地代》といっても、税金を納付するような感覚です。わずらわしい付き合いなども無く、借地人からは歓迎されるようです。国は、借地人にとっては〈いい地主さん〉なのです。
国は、収納した貸宅地を、借地人以外に売却することはしません。借地人は、原則として1年経過以降であれば、貸宅地の払い下げを随時受けられます。

安全地主!


借地人が土地を借りているときは、借地借家法に守られて、強い権利を持っています。しかし、売却等をしようとすると、地主の承諾が不可欠です。
ところが、国が地主であれば…貸宅地を払い下げてもらって、即、旧借地権も含めた完全所有権として売却ができます。安心で安全な借地権処分ができるのです。
払い下げの価格は「時価」で、公示価格等が基準となります。残念ながら、〈安くしてくれれば買う〉‥といった交渉は、困難でしょう。
また、借地人が所有する建物を建替えるときは、国から建替承諾料を求められます。今のところ、契約期間満了時の更新料は要求されていないようです。

ゼロに金銭納付困難理由


一に測量・二に確認、なのですが、前提として「金銭納付困難な理由」をクリアしなくてはいけません。
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