貸宅地物納の秘訣

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貸宅地底地が条件整備で換金可能な金融資産に?…相続税の物納!

貸宅地底地を安心して相続税物納するためにはどのような対策を取っておいたらいいのでしょうか。

貸宅地と物納


貸宅地は…〈わずかな地代なのに相続税評価は高い・借地人さんと調整が難しい・換金が難しい〉‥など、地主さんにとっては苦労の多い財産です。借地人さんはそのまま残して、貸宅地を相続税評価額で売却する、有利な方法はないものか……ありました。それは、《相続税の物納》です。
物納受入金額は、相続税評価額です。1億円で物納できれば、1億円で売れたことになります。そして、物納の「譲渡税」は非課税です。
貸宅地を、《相続税納税資金》として考えれば…悪くはないし、有利ともいえるのです。〈相続税評価が高い〉という悩みは、〈高い金額で物納できる〉という、メリットでもあるのです。

貸宅地と更地


〈物納では、貸宅地より更地が優先〉‥と思われがちですが、条件が満たされていれば、心配は要りません。
物納された土地が更地の場合…その土地は公売にかけられるため、国は、地中埋設物や境界等について過敏になります。転売後のクレームを避けたいからです。
貸宅地の場合は、転売されません。地代を国が受け取って、従前からの借地人に貸し続けるのです。更地のようにクレームの心配は無いし、さぞや大らかに物納を認めることでしょう。
ですから国は、〈貸宅地はイヤ。更地にして。〉‥とは、言いません。物納申請された財産を、厳かに審査するだけです。条件が整っていない場合は、物納財産の差し替えを要求してますが…。

条件整備で資金調達


貸宅地を物納する場合…地代には国の定める水準があり、借地契約書を整備する必要があります。この条件が整うならば、物納の実務上、更地より貸宅地の方が簡単そうです。
地主さんは、生前から、貸宅地の物納条件を整備しておきましょう。何十区画も貸宅地を所有している場合は、なおさらです。整備されていれば、すぐに相続税評価額で物納できます。貸宅地は、速効の納税資金です。
条件を整備することで…貸宅地は、金融資産と同様、換金可能な財産に変わるのです。何の整備もされない貸宅地が多い場合は、《相続税破産》の可能性もあるので、危険な状態です。

面積の整備


事前の条件整備が完璧でなくとも、どの要項を満たせば物納可能か分かると、相続税納税の心労は少なくなります。
物納の条件整備に必要なこと…まずは、測量と分筆です。実測面積と登記面積と借地契約面積を、一致させておきます。
登記面積を訂正するときは、隣宅の印鑑証明書も必要になります。それを考えると、被相続人が、存命中に実施するのが良いですね。隣宅にすれば、見知らぬ「相続人」から〈印鑑証明ください〉‥とお願いされても、抵抗があるでしょう…。
また、境界確認書や、借地人と借地範囲を確認した書類も作成します。

契約の整備


さらに、借地契約書を整備します。地代が定められた水準より低い場合は、借地人と交渉して値上げします。
貸宅地が事業用である場合は、要注意です。居住用と事業用では、地代の算定基準が異なる場合があるのです。
借地契約の条項は…市販の借地契約書なら、問題はないでしょう。しかし、建替自由等の特約等が入っていると、外すことが求められます。

厳しく確認


借地人が所有する建物について…〈登記..実際に差はないか・借地契約名義と建物所有名義は同じか〉‥等も確認します。
建物が違法建築物であったため、その貸宅地の物納が不能になることさえあるようです。私道に接する貸宅地は、私道の所有者から、様々な承諾書を取り付けることも必要です。
実際の物納手続きでは、問題となる点について、物件ごとに個別で指示を受け調整を求められます。具体的な対処ができないとしても、問題の所在は、確認しておきましょう。
すぐに物納できる要件を満たす貸宅地は、金融資産と同じです。相続税の納税においては、生前売却等より有利でしょう。もっとも物納する前提として、「金銭納付困難な理由」をちゃんと説明できなければいけません。

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